2013年2月25日月曜日

世界にひとつのプレイブック





















妻が離れていったことが原因で精神を病んでしまった男と、夫に死なれたショックから立ち直れない女が、ダンス大会を目指して練習をしていく中で徐々に惹かれ合い、そしてどん底から再起していく様がコメディタッチで描かれる。

ただコメディと言いつつも、根本にあるテーマは「底辺から這い上がる人間」と「家族愛」の2つ。これは監督であるデヴィッド・O・ラッセルの前作『ザ・ファイター』と同じ。事前にラブコメ映画だという触れ込みを聞きつつもこの監督なら何かやってくれるだろうと思っていたので、予想通りで少しニヤリ。

素晴らしかったのは、ヒロインのティファニーを演じたジェニファー・ローレンス。精神が不安定で時にはクレイジーでありつつも、繊細で、チャーミングで、愛に溢れた人物であるティファニーを好演。主人公パットのランニング・コースに何度も出没するシーン、ダンスの練習に来なかったパットの家に殴りこんでいくシーン、やけっぱちになってテキーラをがぶ飲みするシーン、愛おしい瞬間が多すぎる。

あとパットの友達で精神病院から脱走を何度も繰り返すダニー役でクリス・タッカーが出演していて、あまりに久しぶりにスクリーンで観たので思わず我が目を疑った。『ラッシュアワー』以来か。